UXに関してプロセスや考え方の部分はwebで色々な方々が情報を公開されていて、参考にさせてもらう事で自分なりにUXが何なのか分かってきた気がします。でも、ユーザー体験をどうやって高めるのか、具体的に何をすればいいのか分からずモヤモヤしていました。調べているとキーワードとしてインタビューやカスタマージャーニーマップ等を知りますが、その手法を「いつ」、「どうやって使うか」に関する情報を上手く見つけられなかったので、本書を購入して読みました。

UXリサーチの道具箱 ―イノベーションのための質的調査・分析―
- 作者: 樽本徹也
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2018/04/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
タイトル通り、UXで使われる手法の使い方を知ることができ目的は達成出来ました。あとは実際に使ってみて経験を積み、上達していければ良いなと思います。
本書を読んでみて考えた事についてまとめておきます。紹介されている手法については本書を読んで頂ければと思います。
ユーザーは自分の欲しいものに気づいていない
UXだったり、HCD(人間中心設計)だったり、デザイン思考だったり、色々な考え方があります。それらで共通していることは「ユーザーも気付いていない潜在的なニーズを発見すること」だと思います。そのためのアプローチは少しずつ違いますが、目指すべき場所は一緒だと感じました。
本書でも引用されている「人はドリルが欲しいのではない、『穴』を開けたいのだ」はモノ作りする時に考えておく必要がありますね。
ユーザーの欲しいものに気づく調査
UXリサーチの手法は潜在的なニーズを発見する手法だと言えます。インタビューはユーザーの体験を聞き出し、ユーザーも気づいていないニーズを発見する手法です。そのための質問の仕方だったり、質問の設計方法、インタビュー後のデータ分析方法を知ることが出来ました。
ユーザーが欲しいものに気づかないという点は、自動車で有名なヘンリー・フォードさんの言葉があります。
もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、
彼らは「もっと速い馬が欲しい」と答えていただろう。
こういったユーザーも気づかないニーズをユーザーと向き合い、見つけて課題化しプロトタイプを作って評価してを繰り返していくことがUXなんですね。
課題を解決するためにはUIの知識がいる
UI/UXが一緒のキーワードで登場する理由はUXの知識だけではモノを作れないからだと思います。How(どうやって作るのか)はUXで語られないためUIの知識が必要になります。また、仮説検証を早く回すためにはUXとUIを出来ることは強みになるので、一人で両方できるとスピード感のある開発になりそうですが、負担も高そうですね。
また、モノを作るのはUIの知識だけでなく、ソフトやハードの知識も重要です。このように、誰か一人がUXを知っていれば良いわけでないですね。みんながUXについて興味を持ち、調査で分かったニーズにチームが合意して、同じ方向を向くことも重要だと思いました。
スクラムとも相性がよさそう
本書の中でもスクラムが登場しました。素早く仮説検証を回すためにはスクラムのフレームワークとUXのプロセスは相性がいいんでしょうね。ほかにもユーザーストーリーマッピングが紹介されていて、アジャイルやスクラムについて学んだことがUXと紐づくとは思っていなかったです。スクラムとUXを学んでいくことで良い相互作用が生まれそうでワクワクします。
まずはユーザーを知る事
UXを勉強し始めたときはペルソナやカスタマージャーニーマップを作れば良いと思っていました。しかし、ペルソナやカスタマージャージニーマップよりも前にユーザーを知る必要が分かりました。そのためにユーザーにインタビューするなり、社内でユーザーに接する機会が多い人に教えてもらおうと思います。
過去記事
UXとは何かの部分は以下の記事にまとめました。こういったまとめを行ったおかげで少しずつUXの理解が進んでいると実感します。
iucstscui.hatenablog.com
iucstscui.hatenablog.com