スクラムガイドには「スクラムの価値基準」という項目があります。
スクラムチームが、確約(commitment)・勇気(courage)・集中(focus)・公開(openness)・尊敬(respect)の価値基準を取り入れ、それらを実践するとき、スクラムの柱(透明性・検査・適応)は現実のものとなり、あらゆる人に対する信頼が築かれる。
スクラムチームのメンバーは、スクラムの役割・イベント・作成物に触れて仕事を進めるなかで、これらの価値基準を学習・探索する。https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2017/2017-Scrum-Guide-Japanese.pdf
ここは僕自身が理解できてなくてスクラムを人に説明するときに上手く説明できない部分です。このままでは良くないと思い、色々の方の考え方を調べました。
そして、以下の2つの記事がとても納得感がありました。
「スクラムの価値基準」にピンとこなくてウロウロしてきて、腑に落ちた。 - Mitsuyuki.Shiiba
スクラムの価値基準について - Takao Kimura - Medium
献身(スクラムガイドでは確約)(commitment)
「確約」という単語からスプリントプランニングで決めた事は何としてでも達成して約束を守らなければダメってニュアンスで理解していました。しかし、スプリントゴールの説明に以下の一文があります。
開発チームの予想と異なることが判明した場合は、プロダクトオーナーと交渉してスプリントバックログのスコープを調整する。
価値基準の項目には決めた事は守れ!って書かれていて、スプリントゴールの項目には状況が変わった場合、変化に対応せよ!って書かれています。スクラムが経験主義を大切にしていることから後者のほうがスクラムっぽいなー。っと思いつつ理解できていませんでした。
そして今回、commitmentは「献身」だという記事を見つけて納得できました。予測結果を約束するのではなく、その予測に対して最善を尽くすことをチームでコミットメントするのだと理解しました。
勇気(courage)
開発をしていると勇気が必要な場面は多くありますね。
・開発の遅れや問題が発生した場合に報告する勇気
・他の人が言っている意見について異なる意見をぶつける勇気
・分からないことを聞く勇気
・優劣が難しいプロダクトバックログアイテムを並び替える勇気
勇気はスクラムが大切にしている透明性を保つために大切だと思います。
「勇気」については色々な記事を見ても他の方々とギャップは少なかったです。
集中(focus)
スクラム以外の作業(スクラム以外のMTGとか)を出来る限り減らして、集中しましょう。って理解してましたが違いました。
スプリントゴールに集中して、それよりも先の不確実な事は気にしすぎないようにしましょうという意味でした。経験主義を基本としているので、近くの事に集中して経験を積んでから先の事を考えたほうが良いよって考えなんでしょうね。
公開(openness)
スクラムチームとステークホルダーは、すべての仕事とそれらを遂行する上での課題を公開することに合意しなければいけない。
(スクラムガイド)
スクラムが大切にしている透明性を高めるには各個人や各チームが良い情報も悪い情報も公開したほうが良いですね。また何が起こっているのかすぐに把握できることが自己組織化の観点でも大切です。ここまでは理解していましたが、それ以外にも「心が開かれていること、寛容さ」も含まれていました。人と人の関わり合いの中で心を開いたコミュニケーションも大切ですね。
尊敬(respect)
上司部下、先輩後輩に関わらずそれぞれに優れた部分足りない部分があります。それを把握し受け入れた上で尊敬しあい、開発しないとチームはまとまらないと思います。Team Geekの書籍で紹介されているHRT(謙虚(Humility)、尊敬(Respect)、信頼(Trust))にも尊敬が含まれているように、チームで強くなるために、チームで成長するために、チームで良い製品を作るために大切な事だと思います。