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アジャイル、スクラムが好きが日々から学んだことをアウトプット

伝わる技術が身につく本 / バナナの魅力100文字で伝えてくださいを読んだ

「バナナの魅力100文字で伝えてください」

タイトルに惹かれて読んで見ました。「おわりに」の章でこのタイトルをつけた理由について書かれていました。本書の中では「種明かし」と表現されていましたが、「伝わる」ための秘密が詰め込まれたタイトルになっていて、タイトルに惹かれたのは必然か?と思ってしまいますね。

著者は本の編集者です。編集の仕事によって蓄積された「伝わる構造」「伝わる技術」をまとめたコツが本書というわけです。

景色を見せる伝え方

『第2章「伝わる」は7階建て構造』では、「伝わる構造」について7つの大切なことを学べます。たとえば、ゴール設定です。何のために伝えたいのか決めましょうというメッセージがありました。他にも納得感、相手ベースなどがありました。

そのなかでも、「見える化」は新しい視点が得られました。
本書の中では道端にある野菜直売所で売られていた大和芋が例として書かれていました。そこには大和芋としか書かれていなかったのですが農家の方が来られて説明してもらい購入に至った話です。本書から引用します。

「大和芋は山芋の一種で、この大和芋は粘りがすごくて、まるで自然薯みたいだよ。すりおろしてのりで巻いてもおいしいよ」
これを聞いた僕も妻も、頭の中に自分たちが大和芋をおいしく食べているシーンが思い浮かびました。

魅力的な説明です。たとえば、ビジョンを伝えるときは、達成したときの状態が思い描けるような伝え方をすることで行動に繋がるということかなと思いました。

もうひとつ気づきがあったことを紹介します。食レポでは視覚、味覚、嗅覚、聴覚、触覚の要素を使って説明している旨がありました。ここでの学びは、物事には伝わるポイントがあるということです。ポイントがわかっていれば簡潔な言葉で伝えることができますね。たとえば、新しいカメラを紹介するときは、そのカメラを使って良い撮影ができるイメージを伝えると良いのかもしれません。ぱっとできることではないと思いますが。

三方よしのポイントで伝える

『第3章 伝える技術 伝わる技術』伝えると伝わるは違うんだよーということで、『伝わる技術』が学べる章です。この章では16個のコツがまとめられています。気になる項目が複数あったのですが一つ取り上げるとすると「3つのグッドを入れると、興味・関心が高まる」です。

これは「自分グッド」「あなたグッド」「社会グッド」の3要素を入れることで伝わりやすくなることです。新しい仕組みを取り入れたいとき、新しいサービスを開発したいとき、周りに同意を得るために3要素を意識すると伝わりやすそうですね。「自分がしたいから」という理由だけではなかなか納得できないですよねー。

まとめ

伝わるは難しいと思いますし、相手によって伝わる伝え方も変わってきます。この本を読むことで伝わる技術の引き出しが広がりますので、相手に合わせた伝え方ができると思います。内容も良かったですし、文体も柔らかく読みやすい本でした。