開発のふりかえりについて学びなおしてみました。
KPTやYWTというフレームワークより、考え方や全体の流れを中心に調べてみました。自分の経験も加味しながら整理してみます。
事前準備
目的を考える
今の状況において何を目的にふりかえると良いのかテーマを決めます。特に決めずに「より良くする」で良い時もありますが、それが続くとマンネリ化して、「ふりかえりは必要ない」と感じてしまいます。
「生産性を向上するために」、「品質を向上するために」、「残業時間をなくすには」などシンプルなテーマでも良いですし、「漫画ワンピースのようなチームに近づくために」などひねりを加えたテーマも凝り固まった考えをほぐせて良さそうです。
また、メンバーと1on1してテーマを決めるのも良いです。
チームを考える
人数が少ない場合は考える必要ないですが、7,8人以上になってくると全員で話し合いができないためチームの分割を考えたいです。関係性の近いメンバーで分割するのもよいですし、複数のテーマを用意し、話し合いたいテーマにわかれてもらっても良いです。
当日
チェックイン
ミーティングが始まってすぐにKPTを始めず、チェックインをしましょう。チェックインでは次が達成できると良いと思います。
- 全員がふりかえりに集中する準備
ミーティング直前は別の作業やミーティングをしていたと思いますので、これからふりかえりをする気持ちに切り替えていきましょう。挨拶や拍手を促して、参加者がアクションを取れる形式にすると参加者もふりかえりモードに入りやすいと思います。 - 本音を言いやすくする
本音を話し合うことを良しとするルールを提案すると良いと思います。特に、ノーム・カースの最優先条項「今日見つけたものが何であれ、チームの全員が、その時点でわかっていたことやスキルおよび能力、利用可能なリソースを余すことなく使って、置かれた状況下でベストを尽くした、ということを疑ってはならない」は毎回伝えると良いと思います。
データを収集する
目標との予実、ベロシティーなど定量的なことと、起こった出来事など物語、嬉しかった、悲しかったなどの感情を集めます。KPT等のフレームワークはここで役立ちます。「どんなことがあったかな?」とぼんやり話し合うのではなく、KeepしたいことやProblemだったことを切り分けて話すことで解像度が上がります。自分の行動と感情、チームの仕組みと文化も切り分けて考えられるとより解像度が上がります。
また、Problemはあがりやすいので、Goodや感謝は意識して集めていきましょう。
アイデアを出す・決定する
KPTならTryに当たる部分です。
ProblemからTryのイメージがありますが、KeepからTryを考えるのもありです。時間も限りあるので、全部のProblemやKeepに対して考える必要はありません。影響度と難易度からコスパ良く進めると良いでしょう。
Tryする内容は「実験」と表現すると失敗するかも知れないTryにチャレンジしやすいです。また、全員の賛同が得られない場合は1ヵ月お試しと期限を切ってふりかえりすると良いです。
また、ムリにTryを出さなくても良いです。全員で課題感を認識・意識するだけで明確なTryがない場合も十分効果があります。
1点注意するとすれば、他責にしないことです。自分たちではどうしようもないことを話すだけでは進歩しないです。
事後
経過を確認する
ふりかえりのTryしたこともきちんとふりかえりましょう。
その他
むきなおり
ふりかえりとは別に、「むきなおり」と言う考え方があります。「チームジャーニー」という書籍で登場した考え方で、ふりかえりが過去を見て行動を改善するのに対して、むきなおりは未来の理想から行動を改善する方法です。
参考資料
こうしてふりかえりは終わってしまった / A Demise of a retrospective - Speaker Deck ふりかえりファシリテーションの基礎 / Retrospective Facilitation - Speaker Deck プロジェクトファシリテーション 実践編 ふりかえりガイド ふりかえりのファシリテーションを考えてみる #スクラム - Qiita 「Retrospectives Antipatterns」を読んだ - 勘と経験と読経 最強の振り返りメソッド「KPT法」で、失敗を反省するどころか、長所も希望も見つかった話 - STUDY HACKER(スタディーハッカー)|社会人の勉強法&英語学習 チームの状況を把握するための5つの質問 | Ryuzee.com がんばりすぎないふりかえりのススメ - yigarashiのブログ 経験に複利を効かせろ!ふりかえり研修2024 - Speaker Deck KPT (Keep/Problem/Try) 等のふりかえりで、K (Keep) ネタを増やすみんなの工夫 - Togetter [トゥギャッター] アジャイルなチームをつくる ふりかえりのガイド / A Retrospective Guide - Speaker Deck