セミナー: モダン・ソフトウェアエンジニアリングのエッセンスに参加しました。
smartse.connpass.com
本イベントで紹介されたEssenceはEssence means Practice Freedom
と紹介されるように、それぞれの方法論で使われているプラクティスを自由かつ適切に扱うためのフレームワークです。
ぼくはUML(統一モデリング言語)のプラクティス版、統一プラクティス言語だと理解しました。角さんのスライドでは何度もUMLと同じくらいの希望と絶望を持つといいと思う
と紹介されていました。
本イベントは書籍「モダン・ソフトウェアエンジニアリング」がBaseになっており、著者のIvar Jacobsonさんや翻訳者の角征典さん、監修の鷲崎弘宜さんなど著名な方が集まる贅沢なイベントでした。

- 作者:Ivar Jacobson,Harold “Bud ”Lawson,Pan-Wei Ng,Paul E. McMahon,Michael Goedicke
- 発売日: 2020/05/29
- メディア: Kindle版
今回のオンラインイベントは以下のツールが使われていました。
発表:Zoom
質問受付:Slido
発表資料など
ビデオ講演: Modern Software Engineering with Essence
モダン・ソフトウェアエンジニアリングのエッセンス
ビデオ講演を解説された平鍋さんのブログ
角さんのQAの回答集
感想
Essenceの説明から受けた印象
スクラムやオブジェクト思考やXPなど色々な方法論で使われるプラクティスを組み合わせて自分のプロジェクトに取り入れるためのフレームワークだと理解しました。個人的にはEssenceのフレームワークに合わせて自分のプロジェクト状態を可視化し、取り入れるべきプラクティスを見つけるときに便利だと感じました。
始めのうちはパタンランゲージに近い印象を受けたのですが、パタンランゲージよりも厳格なルールがあるなぁという印象です。パタンランゲージはイキイキしている分カオスな感じですが、Essenceは統制が取れている分、おとなしい感じです。
ふりかえりに使えそう
角さんの紹介にあったアクティブティスペースは自分のプロジェクトの足りていない部分を見つけ出すのに良いフォーマットだと思いました。自分たちのプロセスに当てはめてみると気付けていない抜け漏れを見つけられます。
また、逆に自分たちが取り組んでいて言語化されていないプラクティスを形式知にするきっかけになると思いました。ペアプロなど、すでに言語化されているプラクティスをアクティビティスペースに当てはめていくと、特定のプラクティスを採用してないけど自分たちで決めたやり方でうまくやれていると分かりそうです。それを言語化すると他のチームに伝達できます。
プラクティスを発見して広めていく姿はEssenceが目指す世界だと感じました。
まとめ
- モダン・ソフトウェアエンジニアリングのエッセンスに参加しました
- Essenceは自分たちの状態を可視化するのに力を発揮するフレームワーク
- 可視化できると足りていない部分が見える
- 可視化できると自分たちの工夫で対応している部分が見えてプラクティス化ができる
- プラクティス化が伝達可能な形式で増えていくと、Essenceが目指す世界に近づけそう
書籍はまだ読めていないので読んでみようと興味が出たイベントでした。
補足資料
本ブログをまとめるにあたり、Essenceを調べたので参考の記事をまとめておきます。
SEMATの活動の結果がEssenceです。そのSEMATの Call for Actionを平鍋さんが翻訳されています。
https://blogs.itmedia.co.jp/hiranabe/files/SEMAT-vision-ja.pdf
SEMATのカーネルカードです。
GitHub - kdmsnr/essence-alpha-state-cards-ja
Dropbox - SEMAT_SWEngKernel_Cards_Ja.pdf - Simplify your life