『スクラムマスターの採用』〜 スクラム Bar #6 に参加しました。
chatwork.connpass.com
『スクラムマスターの採用』というテーマですが、スクラムマスターとは何か?ということを考えたイベントでした。気になったことをまとめていきますね。
内容
考えたこと、感じたこと、思いついたこと
本イベントに参加して考えたこと、感じたこと、思いついたことをまとめてきます。イベントと関係ないところまで思考が広がることもありますが、あくまで私の頭の中ですのでご了承ください。
支援
スクラムマスターの役割を一言で言い表すと、組織やチームを支援することなんだと感じました。スクラムガイドではどのように書かれているのでしょうか。
スクラムマスターは、スクラムガイドで定義されたスクラムを確⽴させることの結果に責任を持つ。スクラムマスターは、スクラムチームと組織において、スクラムの理論とプラクティスを全員に理解してもらえるよう⽀援することで、その責任を果たす。
https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf
なるほど。スクラムガイドで定義されているスクラムマスターはスクラムに限定されていますね。Scrum@Scaleではどのように定義されているのでしょう。
スクラムオブスクラムマスターは、チームと組織に奉仕する真のリーダーであり、スクラムオブスクラムの外部も含めて、チーム横断的な依存関係を理解し、チーム横断的な調整とコミュニケーションを可能にする。SoSMは、プロダクト開発の進捗、障害物の除去状況、その他のメトリクスの情報を発信することで、チーフプロダクトオーナー、ステークホルダーさらには組織全体に情報を提供し続けることに責任を負う。スクラムオブスクラムマスターは、組織全体でスクラムの有効性と導入を高めるよう他者をメンタリングすることなどで、リーダーシップを発揮する。
Scrum@Scaleガイド - Scrum Inc. Japan #TeamworkMakesTheDreamWork
じゃあ、LeSSはどうでしょう。
グループが大きくなればなるほど、全体を見渡すことは難しくなります。
スクラムマスターは、人々が彼らの個々の視点を越えて、プロダクトグループがより大きな生産システムに目を向けることを手伝います。システムの中には、相互作用、遅延、問題の原因、および改善の可能性などが内包されます。
(中略)
スクラムマスターは、 スクラムの精神を活用して、人々に自らの問題に立ち向かう力をもたらすシンプルな方法を見つける必要があります。このアプローチは大規模だがシンプルな解決策をもたらします。
スクラムマスター - Large Scale Scrum (LeSS)
スクラムはチームのスクラムが機能するように支援する役割でした。スケールされたスクラムでは組織が機能するように支援する役割に変わり、スクラムの理論をベースにリーダーシップを取っていくような変化を感じます。言い換えると、今求められているスクラムマスターは「スクラムの理論やプラクティスを理解し、スクラムの枠組みに囚われず支援する」ことなのかなと思います。
ScrumMasterWay(スクラムマスターの道)
これはまさに、ScrumMasterWay(スクラムマスターの道)で定義されているスクラムマスターのレベルを上がっていく形ですね。ScrumMasterWay は下記サイトでも公開されていますし、SCRUMMASTER THE BOOKの書籍でも詳しく紹介されています。
scrummasterway.com
ポテンシャルフェチ
少し脱線しますと、安斎勇樹は、なぜMIMIGURIを経営するのか?|安斎勇樹|noteというnoteの記事にポテンシャルフェチというセンス感じるワードが登場します。ポテンシャルフェチは以下のようなことです。引用します。
自分は他人の「思いも寄らない"意外な才能"」が発揮されたときこそ、余計に喜びを感じる、という特性です。予想通りのポテンシャルよりも「想定外の覚醒」に、興奮してしまう。
なぜこの記事を引用したかといいますが、スクラムマスターのやりがいってこれじゃないのか?と感じたからです。スクラムマスターはスクラムマスターがいなくてもチームが機能する状態を作ることです。はじめはティーチングしていたチームが徐々に成長してコーチング中心になり、チームで学び開発するサイクルが回りだしたとき、スクラムマスターの想像を超えたチームになる。これ自体に喜びを感じる人はスクラムマスターに向いているのだろうと思いました。
アジャイルコーチとスクラムマスターとシステム
チームの一員として支援するのがスクラムマスター、チームの外から支援するのがアジャイルコーチというお話がありました。また、会社の文化やプロダクトにオーナーシップを持って関わるのが正社員、そうじゃないのが業務委託というお話もありました。もう一つ、親でもありながらコーチとして関わることもあるが、自分は当事者でもある。システムを客観的に見つつ、自分もそのシステムの一部であることを理解してコーチしなければならない。というお話がありました。
チームの内と外、システムが印象に残ります。チームの内と外の境界線で定義するとわかりやすいですが、どの位置からチームを見るかによって内と外の定義は変わりそうです。「チームの外」にいるアジャイルコーチは「その外のチーム」から見ると、チームの内にいる。何が言いたいかというと、アジャイルコーチとスクラムマスターで固定された役割を持つのではなく、もっと柔軟に「支援する」ということを捉えても良さそうだということです。フラクタルな構造の中で、関連するシステムを見つけて、自分の立場から必要な支援をするのが大切なんだろうと考えました。
ここまで書いて気づきましたが、このことが、ScrumMasterWayで言われているの第3のレベルのことだと気付きました。