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「わかりあえない」を認めよう / 他者と働く-「わかりあえなさ」から始める組織論を読んだ

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論を読みました。

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 (NewsPicksパブリッシング)

人と人が関わることで生まれる複雑で困難な「わかりあえなさ」を解決し、より強い関係性を構築するための「対話」がテーマでした。会社で働く、家族と過ごす、スポーツをする、あらゆる組織の中で生まれる「わかりあえなさ」に悩んだ経験のある方に、悩んでいる方にお勧めの書籍です。
この本を読んで「上司は、あいつは、あの子は、分かってない!」を乗り越えて、より強い関係を構築しましょう。

「わかりあえなさ」はなくならない

人はそれぞれ違った環境(場所、組織、関心、役割、責任などなど)にいて価値観や考え方や常識が違います。そのため同じ状況にいても違った考えを持っています。人それぞれの考え方(解釈の枠組み)を本書ではナラティヴと呼び、ナラティヴの違いにより「わかりあえなさ」が生まれていると書かれています。

また、このナラティヴの違いを「」と表現していて、対話はその溝に橋をかけることだと書かれています。

こちらのナラティヴとあちらのナラティヴに溝があることを見つけて、言わば「溝に橋を架けていくこと」が対話なのです。

大きい小さいはあれど、ナラティヴの違いは日常的に起こっています。価値観の近い人同士でもどこかに違いがあります。ゆえに「わかりあえなさ」はなくならないんだと思います。わかりあえない瞬間はネガティブになるかもしれませんが、悪いことではないと思っています。「わからない」から相手のことを考えるきっかけになりますし、知ろうとします。「わからない」からわかろうとします。「わからない」は成長するチャンスなんだと思います。
本書でも対話を繰り返すことで反脆弱的な組織に変わると書かれています。

好きな曲でASIAN KUNG-FU GENERATIONの「その訳を」に以下の歌詞があります。

分かり合うより想い合うように

「わかりあえない」を認めることで、やさしく強くなれると思います。

対話のための4つのプロセス

ナラティヴの溝にどうやって橋を架けるかは4つのプロセスが定義されています。

  • 準備 「溝に気づく」
  • 観察 「溝の向こうを眺める」
  • 解釈 「溝を渡り橋を設計する」
  • 介入 「溝に橋を架ける」

簡単に言うと相手の立場に立って考えて行動しようです。その相手の立場に立つための順序がまとめられていました。特に「準備」で自分のナラティヴを脇に置くことが紹介されていました。自分のナラティヴを置いて相手をナラティヴを眺めるないと自分のナラティヴの範囲内で相手を見てしまい、都合の良い解釈をしてしまいがちです。結果、「上司は、あいつは、あの子は、分かってない!」になってしまいます。

そもそも、こっちが相手を分かっていないのだから、相手もこっちを分かっていないのは当たり前です。そこに気づいて、お互いの違いを認識したうえで対話することができれば物事を前に進める近道だし、大きな事を成し遂げられる第一歩なんだろうと思いました。

まとめ

具体的な橋の架け方の本ではないため、今発生している折衝をすぐに解決する答えが欲しい人には向いていないと思います。しかし、どのような場面でも使える考え方で、みんながこの認識を持っていれば対話がスムーズに進むだろうと思いました。

本書でも出てきた「私とそれ」の道具の関係から「私とあなた」の固有の関係を常に考えられるように覚えておきたいです。