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「だから僕たちは、組織を変えていける」を読んだ

「だから僕たちは、組織を変えていける」を読みました。

昨今、組織やチームで大切だと言われていることを一冊にまとめたような書籍だと思います。色んなキーワードや理論が紹介されています。この本を読んだあと、紹介されたキーワードをさらに深堀する楽しみもありそうです。読みやすいですし、良い本です。
読んでみて気になったことをまとめます。

私なりの理解

この本を紹介しますと、
時代が移り変わっていく中、今求められている組織に必要なキーワードは「学習」「共感」「自走」だと提案されています。このキーワードをダニエル・キム氏が提唱した「成功循環モデル」で整理することができます。「学習」は関係の質、「共感」は思考の質、「自走」は行動の質です。じゃあ、「関係の質」を高めるにはどうすれば良いのか、「思考の質」を高めるにはどうすれば良いのか。そういったことが学べる書籍になっています。「心理的安全性」「ホールネス」「パーパス」「動機付け」「生産性」などのキーワードを使いながらそれぞれの質の高め方が解説された本です。今の組織やチームのトレンドがひとまとめになった書籍だと感じました。

補足:「成功循環モデル」を簡単に説明すると組織を「関係の質」「思考の質」「行動の質」「結果の質」の4つに捉えたとき、「関係の質」から高めると良いサイクルが回るというモデルです。

それでは、本書で特に気になった部分をまとめていきます。

シェアドリーダーシップは状況に応じてリーダーが変わるリーダーシップ

本書では「サーバントリーダーシップ」「オーセンティックリーダーシップ」「シェアドリーダーシップ」の3つのリーダーシップが紹介されていました。
リーダーシップは以下のブログでも紹介した厚生労働省リーダーシップを発揮しようが簡潔にまとまっていてわかりやすいとおもいます。ただ、この資料には「シェアドリーダーシップ」が掲載されていません。ということで、本書でシェアドリーダーシップを知ることが出来ました。
iucstscui.hatenablog.com

「シェアドリーダーシップ」の部分を引用すると以下になります。

シェアドリーダーシップでは、自然発生的なリーダーを想定している。組織から与えられたポジションではなく、専門性や個性から、その場に最適なメンバーがリードする。
P70 Kindle

「リーダーシップをシェアする」という言葉の通り、同じチームでタスクの特性や状況に応じてリーダーを入れ替えて開発する考え方です。本書を読んで新しい発見だった部分は同じタスクでも状況に応じてリーダーを入れ替えることです。ここまでダイナミックにリーダって入れ替えていいんだ!と驚きでした。

シェアドリーダーシップはメンバーの習熟度が高ければ自然と起こるリーダーシップだと感じました。「そこまで出来たらこっちで引き取るよ」みたいな感じでリーダが変わっていきます。逆に習熟度が低いとリーダー役の人が状況に応じてメンバーに指示し進めていくのでしょう。

一つの理想形のようなシェアドリーダーシップは個々の力が求められると同時にメンバー間の関係性も求められそうですよね。

それこそが、ダニエル・キム氏が提唱した「成功循環モデル」ですね。メンバーとの関係の質を高め、思考を変え、行動を変え、結果に繋がります。

ここからは私個人の考えですが、関係の質を高めるために一人一人を理解する重要性を感じます。「ドラッカー風エクササイズ」のようなワークショップを開いてお互いの強み弱み期待値を明確にすることが重要だと感じました。

補足

本書は『だから僕たちは、組織を変えていける』公式サイトで各章の要約が紹介されてします。気になる方は参照ください。

まとめ

冒頭でも書いたように本書は組織やチームで大切だと言われていることを一冊にまとめたような書籍です。個人的には「シェアドリーダシップ」がわかったことと、「成功循環モデル」で整理された一連の関連性に良さを感じました。

読み返しつつ本書で登場したキーワードを深掘っていきたいと思い。

本書で気になったキーワードの羅列

・ゲイリー・ハメル「25の課題」
 https://dhbr.diamond.jp/articles/-/1648
・計画は「実行されるべきもの」ではなく「絶え間ない環境変化を知覚する、学習のためのアンテナ」
オルフェウス・プロセル
・成功循環モデル
・サーバント・リーダーシップ
・オーセンティック・リーダーシップ
・シェアド・リーダーシップ
・対話の目的は意味の共有
・誰がチームのメンバーであるかより、チームがどのように協力しているかの方が重要
・集団的知性
・共感デザイン「ホールネス→他社尊重→相互理解」
・価値デザイン「パーパスの共有→第三案の共創→安心感の醸成」
・推論のはしご
・帰属シグナル
・動機づけの6段階
三方よし
・組織の北極星(パーパス、ミッション、ビジョン、バリュー)
・成人発達理論