はんなりと、ゆるやかに

アジャイル、スクラムが好きが日々から学んだことをアウトプット

「ユニコーン企業のひみつ」を読んで、働き方を考えた

ユニコーン企業のひみつを読みました。本書はSpotifyモデルで有名なSpotifyがどういった思想でどういった開発をしているのか教えてくれる本です。

本書を読んで感じたこと、取り組もうと思ったことを中心にまとめていきます。

Spotifyをユニークな開発組織として知ったきっかけはSpotifyモデル

Spotifyは音楽やポッドキャストを楽しめるストリーミングサービスで、僕も使っています。Spotifyはサービスとしても良いサービスなのですが、それとは別にSpotifyモデルと呼ばれる開発手法としても有名です。僕もこの開発手法を知り、Spotifyを音楽サービスの会社ではなく、ユニークな開発組織として意識するようになりました。
Spotifyモデルは以下の記事が詳しいです。
lean-trenches.com

また、2020年にSpotifySpotifyモデルを使っていないという記事が注目されたことから多くの方が参考にされる手法だと分かります。本書のあとがきにも今のSpotifyモデルと今のSpotifyとの違いが説明されています。同じモデルを使い続けるのはアジャイルな感じがしないので、有名になった当時のSpotifyモデルが使われていないことは正しい進化だと思います。
agile.quora.com

権限と信頼

本書を読んで一番印象に残ったことは信頼して権限をチームに渡すことです。Spotifyモデルではスクワッドと呼ばれる職能横断の少数のチームで開発されます。スクラムでいうスクラムチームに似ています。カンパニーベットと呼ばれる抽象度の高い会社としての重要事項(たとえば、「モバイルに注力する」)は示されますが、具体的な方法や実現手段はスクワッドで考え決定します。あらゆる情報はオープンにされ、色々なことがチームで決められる仕組みや制度が整えられていました。

「信頼されている」という感覚はモチベーションに大きく影響を与えますね。そして、権限があればスピードも向上します。信頼と権限は開発を進めるうえで大切なことだと改めて思いました。権限が大事だからといって「よしよし、権限委譲が大事なんだな。すべて任せる!」っとなると混乱すると思いますので、デリゲーションポーカーなどを使って期待値と現状をすり合わせて進めるのが良さそうですね。

マネしてはダメ

10章では本書で学んだことの活用方法について書かれています。その中に以下の一文があります。

世界有数の企業の取り組みの研究を続けて、自分たちの役に立ちそうだと思えるものなら何でも試してみることを、私個人としては強くおすすめるする。
~中略~
他所でやっているからといって、そのままコピーしてはだめだ。

完全、同意です。

Spotifyモデルは良さそうだ!さっそく、明日から体制を変えよう」は良くないですね。チームや組織が混乱するだけです。これはSpotifyモデルに限らず、「スクラム」「アジャイル」などどれでも同じです。学び続けることは大切だと思いますし、好奇心があるのは強みです。だからといって今の会社、組織、チームの状況を無視して当てはめると明るい未来は待っていません。僕も経験済みで、こんな発表をしています(笑)
iucstscui.hatenablog.com


何か新しく魅力的な手法を見つけると、今の問題をすべて解決する手法だと勘違いしてしまいます。でも、そんな銀の弾丸は残念ながらありません。「スクラム」のようなフレームワークの形になるとマネしやすく広まりやすいですが、状況に合わせて取り入れ方を工夫しないとうまくいきません。

スクラムフェス大阪2020のふかやみわさんのお話で「やりやすそうな仕掛けは何か間違っている」という言葉があり、ハッとしました!色々なフレームワークはヒントにはなりますが、答えにはならないのです。

「手伝おうか?」

6.6章のタイトルです。次の僕のステップはこれだと思いました。まだまだ自チームのことだけを考えがちです。局所的にはチームという単位で区切られていますが、視野を広げれば同じチームです。視野を広げて自チームで得た情報を外に公開したり、他チームが困っていそうな雰囲気を感じたら声をかけたり、していこうとおもいました。

「手伝う」というよりも、そもそも「それも含めて自分の仕事」と捉えて開発していきたいと思いました。

訳者のあとがき を実現したい

訳者のあとがきに「毎朝、仕事に行きたくなるような、全力を尽くしたくなるような・・・」という一文があります。

scrapbox.io

こちらも完全に同意です。僕も含めて一緒に働くメンバーが毎日充実して楽しく過ごせる環境を作っていきたいと思います。

まとめ

  • Spotifyの働き方や文化を知れる一冊です
  • とても読みやすい本です
  • Spotifyモデル はマネをするのではなく、自分たちの環境に合わせて適応させた方が良いです
  • 毎日、楽しく働きたい

その他、参考記事

スクラムフェス大阪2020 の参加記事書いてます
iucstscui.hatenablog.com

本書でも「学習」が大切だと取り扱われています。僕も「顧客に寄り添いながら継続的に学習している状態がアジャイルじゃないかな」と思っています。
iucstscui.hatenablog.com