2020/6/26(金) - 27(土)の2日間で開催されたスクラムフェス大阪2020の2日目のまとめです。1日目の基調講演はこちら。
iucstscui.hatenablog.com
2日目は19トラックが並行で進みますので、ほとんどのセッションが見れません。ただ、参加者はイベント終了後に録画された動画が閲覧可能なので安心して選ぶことが出来ました。
参加したセッション一つ一つをまとめていきます。
参加したセッション
旅館運営企業にエンジニアがもたらした価値とこれからの戦いについて
- エンジニア組織を内製化し、価値を出していった話
- はじめは内製化に消極的だった
- 内製化で改善が進み認められ、内製化も拡大
- 合意形成のフローを整理
- 決定する場を用意
- 見積りをポイント制に変更
- 案件増加に伴い、やり方を変えないと回らなくなった
- エンジニアを内製化することで意思決定の速さをもたらした
- 非エンジニアの方と接し、自分の視野の狭さに気づく
- COVID-19 で状況が大きく変わった
- 3密状況を可視化するツールを1ヵ月半で開発、導入
ソフトウェア開発の部署だけでなく、ステークホルダーを巻き込んでプロセスを変えていかれたお話を聞いて「これが優れたスクラムマスターだ」と感じました。COVID-19で大変な状況もエンジニアを内製していたおかげで早期に改善策を実験できていますし、良い成功事例です。
お話の中で価値観の違う人同士と関わると自分の視野が広がると仰っていました。昨日の基調講演でも価値観の違う人と関わるとストレスはたまるけど成長できるとお話しされていて繋がっていますね。違いを受け入れる価値観が共通認識としてあれば強いですね。
貢献できていると感じるとモチベーションが高くなるというお話もあり、ここは意識していきたいと思いました。納得できている、貢献できているというのはより良い開発をするために必要だと感じています。
[ディスカッション] 異文化の壁を乗り越えるスクラム
- お互いを知らないと、なんでこういう反応するんだろうってことが分からない
- 文化、性格など
- 背景を知っていると、ストレスが減る
- 外国人と日本人の違いではいろんな国で文化が違う
- 英語圏の人が全員ハッキリと自分の意見を言うわけではない
- ただ雑談するだけでじゃなく、意味を付ける
- いろんな方と触れると考え方が変わる
- こうあるべきがなくなる
始めにスライドに沿った説明があり、それに沿ったディスカッションでした。
海外の方と一緒に働いた経験が少ないですが、エンジニアとデザイナー、エンジニアと企画職でも文化は異なります。以前読んだ「他者と働く - 「わかりあえなさ」から始める組織論」と通づる話で、相手を良く知ることで意見が違う背景が分かります。背景が分かればあとは折衷案にするのか、どちらかに比重を寄せた案にするのか話し合えます。
教えて!あなたの一歩を後押しした本 / 本箱をシェアして会社の仲間と読んだ体験から得たこと「旅するAgile本箱LT」
6冊の本が紹介されました。私もカイゼン・ジャーニーを紹介させていただきました。
SCRUM BOOT CAMP THE BOOK 増補改訂版
3名のコラムニストによる紹介です。増補改訂版の前のSCRUM BOOT CAMP THE BOOKを持っていて何度も読んだ書籍です。とても分かりやすく初めてスクラムを学びたい人にもおすすめしたい一冊です。今回紹介のあったリリースレゴは知らなかったのですが、こういうユニークな見える化にチャレンジしてみたいなーって思います。
一万年の旅路 ネイティヴ・アメリカンの口承史
1万年前のネイティブ・アメリカンが大陸を渡ってアメリカに永住するまでの旅路の話をまとめた本の紹介です。この本とアジャイル、ティール組織を紐づけて考えられること自体がすごいと思います。耳をふさぎたくなるような悲しい選択をして変化に対応しながら前に進んだ話は興味がわきます。
カイゼン・ジャーニー
LTをさせていただきました。緊張はしましたが、Discordのコメントを見ながら発表できたので余裕はあったかなって思います。内容はカイゼン・ジャーニーを読み、感銘を受けて行動を起こしたお話をさせていただきました。聞いていただいたみなさんの刺激になったり、感情が動いたりして少しで良い影響を与えられていれば嬉しいです。
「それで、あなたは何をしている人なんですか?」はインパクトのある問いですよね。このような素敵なイベントに登壇させていただけたのもこの本がきっかけで行動したからです。少しの勇気で一歩踏み出すと驚くほど景色が変わると感じました。この本に感謝です。
旅するAgile本箱をシェアして会社の仲間と読んだ体験から得たこと
実際に旅するAgile本箱を利用された経験をお話されました。社内ビブリオバトル楽しそうで良いなー。期間限定のイベント感もいいですね。僕も輪読会で1冊の本をみんなで読むことはしたことがありますが、こうやって同じジャンルのいろんな本をみんなで読む体験は特別感がありますね。
チームが「サイロ化」しないための仕掛け(増補版)
(いい意味で)裏切られていくストーリーで引き込まれました。「毎朝10分、隣のチームと会話する」と紹介されて、いいねいいねと思っていたら、次のスライドで「そうじゃない」「やりやすそうな仕掛けは何か間違っている」と言われて「やられた!」っと感じました。「仕掛け」よりも大切なのはなぜ仕掛けが必要になったかだとお話されていて意識していきたいと思いました。
未来を変えるためにほんとうに必要なこと――最善の道を見出す技術
世界最高のファシリテータと呼ばれているアダムカヘンさんの本を紹介されました。南アフリカの民族和解など究極の緊張状態をファシリテートされているそうです。以前参加したアジャイルリーダーシップサミット 2019は基調講演が瀬谷ルミ子さんで紛争解決のお話をされていました。究極の状態に関われている人の話は尊敬もしますし、考えさせられます。ということで、とても気になる書籍です。
アジャイルスクラム時代のパタン・ランゲージとアレグザンダー理論
- パタンはアジャイルに影響を与えている
- ソフトウェアのパタンはパタンを書くところで終わっている
- 生命構造=いきいきしている
- 生命は全体性から生まれる
- 全体性=対象を分割できない一つとしてとらえる
- 花の部分部分は花ではなく、全体が花
- 全体の中の中心になる部分
- センターを中心に分けた部分にもセンターがある
- 構造保存変換=全体性を保持したまま変化する
- 進化適応型が本質ではない
- 本質は展開プロセスであり、間違いがない
- 弱い部分を見極め、センターを見つけて、そこを強める
- 判断基準は感情「いきいきしているかどうか」「自分らしいのはどちらか」
- NOO はピンとこない人が多い
- 変化とは大事な部分を見つけて強めること
- センタリングプロセス
- 保全したいものを見つける
- 超越解を考える(葛藤を一気に解決するもの)
- パタンを組み合わせて物語を作る
- パタンランゲージは目指す世界のビジョン
- 複数の物語で使われるパタンがセンター
- ビジョンと現実を往復
パタンランゲージに興味を持っているけど、理解できてなくて聞きにいきました。聞いてもなお分かるようで分からん状態ですが、今までより現実の世界に落とし込めそうな気がしています。
「いきいきしている」は考えは分かるけど、じゃあどうしたらソフトウェア開発に応用できるのかが分からなくて「理解したい!」という感情だけが先行している感じです。「パタンランゲージは目指す世界のビジョン」「保全したいものを見つける」「複数の物語で使われるパタンがセンター」「ビジョンと現実を往復」「弱い部分を見極め、センターを見つけて、そこを強める」「花の部分部分は花ではなく、全体が花」このあたりのキーワードから実験してみて理解を深めていくのが良いかなって思ってます。