はんなりと、ゆるやかに

アジャイル、スクラムが好きが日々から学んだことをアウトプット

HIGH OUTPUT MANAGEMENTを読んでMANAGEMENTについて考えた

「HIGH OUTPUT MANAGEMENT 人を育て、成果を最大にするマネジメント」を読みました。

マネージャーとは何をする人なのだ?
どうすれば良いマネージャーになれるのだ?
悩んでいませんか?
これらの悩みを解決するヒントが見つかる。その本がHIGH OUTPUT MANAGEMENTです。マネージメント業務に携わる方におすすめできる本です。ほんと素晴らしい。

マネージャーのアウトプットは何なのでしょうか?著者は以下のように定義しています。

マネジャーのアウトプット=自分の組織のアウトプット+自分の影響力が及ぶ隣接諸組織のアウトプット

この定義なので、マネージャーといわずとも、リーダーという立場で複数人をまとめる人、スクラムマスターでチームの自己組織化を促進する人など、多くの人の参考になると感じました。

私もコードを書いて貢献する立場から、コードは書かずにチームをリードして貢献する立場に変わった経験があります。直接的なアウトプットがなくなったとき、なんとも言えない戸惑いや不安がありました。それは、もともとのスキルだった「プログラミング」から離れれば離れるほど感じていました。

今回の本はそのような戸惑いや不安や悩みを解消してくれる一冊です。人それぞれの抱えている課題によって響くポイントは違うでしょう。今回は私が特に響いたポイントを3つ紹介しますが、それ以外にも多数のヒントが書かれています。

マネージャーとして襟を正す

「イントロダクション」の章に以下の問いがあります。

あなたは本当の価値を付加しているのか、それとも単に情報をあちこちへ流しているだけなのか。付加価値をどうやって高めようとしているのか?

マネージャーになると色々な情報が増えます。特に中間管理職になると上司からも部下からも周辺部署からも様々な情報が入ってきますし、取らなくてはいけません。それを自組織に伝える時、あなたを通すことで価値が増えてますか?ということですよね。ドキっとします。。。

これに関連するPodcastがあります。なぜか誰も教えてくれない、マネジメントの教科書に書くべき基本|CULTIBASE Radio|Management #9 | CULTIBASE このPodcastでは自分主語で語ることの重要性を教えてくれます。「〇〇さんが△△と言ってた」では情報に価値が付加されていないのは明白ではないでしょうか。情報を得たとき、メンバーにどのように伝えれば良いのか、どこまでを伝えればよいのか。その点を考え分からなければ情報源の方と対話し、腹落ちさせることが重要だと思います。

情報以外にもどうすれば付加価値が高まるのか考えなければなりません。アジャイルマニフェストの次の一文をマネジメント領域で実行すると良いのでしょう。「私たちは、ソフトウェア開発の実践あるいは実践を手助けをする活動を通じて、よりよい開発方法を見つけだそうとしている。」

この、組織のアウトプットに価値を付加する意識は常に持ち続けたいです。

行動の意味がアップデートする

仕事の意味がレポートは情報を伝える方法というよりは、"自己規律訓練"の"手段"

マネジャーの方が職場を回り、2分間ですむ関心事を持つ人に会うようにすれば、単に立ち止まって話を聞き、立ち去れる。

いうまでもなく、マネジャーの意思決定は、ビジネスが直面している事実や問題点を当人がどの程度よく理解しているかによって左右される。

マネジャーは、オフィスにいながら、様々な出来事に何がしかの影響を与えるために、様々なことを行なう。たとえば、仲間に電話をして意思決定をこんなふうにしたらと提案したり・・・

どれも私が新しい発見だと思った部分です。コードを書くことがメインだった時、自分の価値を付与するにはパソコンの前に座ってソフトウェアを作ることでした。(正確に言うとコードレビューや仕様や設計の打ち合わせなど色々あるんですが、それはそれとして)

マネジャーは間接的にアウトプットの生産性に影響を与えていることが分かります。しかも、複数人に影響を与えるので影響範囲も広いです。特に新しい視点に切り替わったのは「意志決定」です。「意志決定」は自ら決めることだけだと思っていましたが、自分の影響で他者の意思決定に影響を与えることもマネジメントの役割になるんだと気付きました。

これらのことから、マネジメントという行為に関して行動の意味がアップデートされた感覚があり、責任感を感じつつ、力強さも感じました。

メンバーの動機付けの大切さ

人が仕事をしていないとき、その理由は2つしかない。 単にそれができないのか、やろうとしないかのいずれかである。つまり、能力がないか、意欲がないかのいずれかである。この洞察はマネジャーの努力の方向を 180度変える力がある。つまりマネジャーのやるべきことは部下の教育とモチ ベーションの向上だ。

マネジャーにできることは、もともと動機づけのある人が活躍できる環境をつくることだけとなる。

動機づけはモチベーションの低い人を高くするためのことだと思っていましたが、それだけではなくむしろ、「動機づけのある人が活躍できる環境をつくる」というのが新しい考えでした。本書では成果の見える化により競争したくなることが例として挙がっていました。

組織のアウトプットの生産性にメンバーの意欲が深くかかわっているのは想像できると思います。また、意欲は瞬間瞬間ではなく長く影響を与えるものだと思うので、大切に扱えるように学びつつ、実践に取り入れていきたいと思います。

まとめ

HIGH OUTPUT MANAGEMENTを読みました。マネジメントに対する考え方がアップデートされる本で、マナジャーに関わらず、リーダーやスクラムマスターなど人に関わる皆さんは一読すると働きやすくなる本だと思います。