「問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術」を読みました。
本との出会い
安斎さんをはじめて知ったのはCULTIBASE Radioでした。(idearium castという名で放送されている頃から聞いていました。)ファシリテーションや組織をテーマにした話題が多く、今も好きで聞いているpodcastです。
同著者の方が書かれて「問いのデザイン」という書籍がおもしろくて、「新しい本も、きっとおもしろい。」そんな期待を持って手に取りました。
どんな本か
本の概要は下記の公式サイトを見ていただく方が良いと思います。
本ブログでは読みながらメモしたリストを見返して、改めて良いと思ったことを共有したいと思います。
問いかけの質が「会議、人、チーム、組織」を変える
「どんな本?」と聞かれると「会議、人、チーム、組織が良くなる【問い】について書かれた本」と答えます。1on1で問いかける言葉、会議で問いかける言葉、それぞれ違いますが、その言葉が良ければ、その人、その場の力を引き出せます。
「たとえば、何でも良いからアイデアを出してください!」という質問よりも
「この企画案、 どこかひとつだけ変えるとしたら、どこでしょうか?」
安斎勇樹. 問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術
という質問の方が意見が出やすそうですね。
こういった意見を出したくなる問いかけはコツがあります。そして、そのコツが書かれた本です。
すぐに使える三角形モデル
「場の目的」「見たい光景」「現在の様子」を三 項にした三角形モデル
安斎勇樹. 問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術
「場の目的」「見たい光景」「現在の様子」 この3つを意識して会議に臨みましょうと書かれていました。
この中で「見たい光景」は意識したことがなかったです。「見たい光景」とはどういうことかというと、「○○さんの発言を増やしたい」のように会議の目的とは別に、その会議で見たい光景を設定することです。この準備があればファシリテートの意識が変わると感じました。
また、この三角形は会議以外にも育成面に応用できそうですね。
会議の組み立て方
「メインの質問から逆算する」「谷型と山形のプロセス」「未知数を定める」「方向性を調整する」「制約をかける」などなど、問いの組み立て方が学べます。あらかじめ予稿を作ることはあっても、問いを組み立てることはなかったです。問いもセットで考えようと思いました。
観察の仕方が具体的
特に「何かを評価する発言」を最重視して、その次「未定義の頻出 ワード」に注意 を向けると良いでしょう。
安斎勇樹. 問いかけの作法 チームの魅力と才能を引き出す技術
スクラムマスター、コーチングなどでよく言われる「観察」。具体的に何をすれば良いか難しくないですか?僕は難しいと感じていて、そのヒントが具体的かつ明瞭に書かれていました。それが引用した上記文章です。
「評価する発言に注目しよう」と思えたことは大きなヒントです。
他者からの学び方
本書の「問い」からは少しずれたポイントですが、著者がどうやって「問いかけの技術」を探求してきたかが書かれていました。端折って説明すると「対象者を観察し、発見した事実を理論と照らし合わせた。その後実践で試してみた。」ということでした。
「問いかけ」に限らず幅広い分野で応用の効く内容で、すぐに活用できると思いました。この方法を実践するには『理論』の蓄積か大切に感じたので、notionにまとめてみようと思います。
まとめ
本書は分かりやすい言葉とテンポの良さでサクサク読める書籍でした。内容は当然よくて、実践的ですぐにでも使えるアイデアがたくさん詰まっていました。本書にも書かれているとおり、「実践してみる」にこだわってみようと思います。