『はじめての構造主義』を読みました。
構造主義は20世紀を代表する現代思想ですが、理解が難しい。それを優しく丁寧に紹介してくれるのが『はじめての構造主義』です。
構造主義とはなんなのか?を知る入口になる本だと思います。本の紹介は下記のサイトがわかりやすかったです。本ブログは私が読んで感じたことを中心にまとめていきます。
https://liberal-arts-guide.com/structuralism/
構造主義は思想
本書を読む前、構造主義はフレームワーク的に使えるモノだと思っていましたが、違いました。
では、なんなのか?
構造主義は世界を見るときの態度です。「人の社会は目に見えない構造(システム)があり、構造に影響されて行動している」という思想です。
わかるような、わからないような。
私はシステム思考っぽいなと連想しました。
システム思考は、問題に関連する要因と、要因同士の因果関係、相互作用を理解し、問題解決に一番有効なアプローチを見つけるものです。
システム思考は問題を解決するフレームワークですが、構造主義は人々はシステムに影響されている。ということ。だと思いました。
構造主義はなぜ、注目を集めたのでしょうか?
実存主義と構造主義
構造主義の前は実存主義がありました。
「実存は本質に先立つ」が有名な言葉です。人は本質(生きる意味みたいなもの)があって存在するわけではなく、自分たちの意思で生きられる。だから、どう生きるのか?は自分たちの問題で主体的に生きるのが大切だ。という考えです。
さらに実存主義のサルトル氏は、発展していく歴史に主体的に参加することが、人として生きる意味だと言い。また、発展に遅れている人たちも歴史に参加すれば私達のような素晴らしい世界を築けると言った。
それを西洋主義的だと反論したのがレヴィ=ストロースであり、構造主義なのです。西洋もそれ以外の文化も構造の観点では同じなので、劣っていることはない。と説明したのです。
実存主義は人としてこうあるべきと説いたのに対して、構造主義は人々の仕組みはこうなってるね。と反論したと理解しました。これは、どちらが正しいとかではなく、考えるときの視点が違うので比べられない。というのが感想です。
構造によって行動が促されるとは言いつつも、人はその構造さえも変える力があります。構造と人も相互作用しています。