ソフトウェア以外の色々な業界でアジャイルという単語を目にする機会が増えました。大量生産で成長してきた時代から多様化するニーズに応えるための手段としてアジャイルが注目されているようです。ソフトウェア開発だけでなく色々な業種で活用されているアジャイルで重要なことは何なのか。それを知るのにちょうど良い雑誌が発売されたので読みました。
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビューの2022年2月号特集「アジャイル化するプロジェクトマネジメント」です。本誌では「アジャイル化するプロジェクトマネジメント」として5つの記事が特集されています。本特集を読んで気づいたこと、思ったこと、考えたことをまとめていきます。
共通の目的・目標が重要
インセプションデッキの「我々はなぜここにいるのか」、スクラムの「スプリントゴール」、プロダクトオーナーとチームで「なぜ」の認識を合わせる「ユーザーストーリー」、目標管理ツールの「OKR」など、アジャイルを学ぶと出会う手法には目的・目標に関するものがいくつかあります。本誌の特集でも目的・目標を重要な要素として取り上げられていました。本誌の内容と経験から「良い目的とはなにか」について考えてみました。
関係者全員が重要だと思える目的・目標を自分の言葉で設定できている
「関係者全員が重要だと思える」関係者にはプロジェクトメンバーも含まれますし、ステークホルダや上司も含まれます。内外から認められ、共感を得る目的はそのプロジェクトに携わるモチベーションにも繋がりますし、協力も得やすいです。また、重要だと思えていると自分ごと化でき、自律的に行動するチームの第一歩となります。
「自分の言葉で設定できている」どんなに素敵な目的も「言われたから」の一言で台無しになります。目的を周りに伝える時は自分の言葉で話すことが大切だと思っています。発信する側にも自分ごと化が必要です。
学習が成功のカギ
2年前、「顧客に寄り添いながら継続的に学習している状態がアジャイルじゃないかな」という記事を書いたとおり、「アジャイルとは学習し続けることである」のようなことを書きました。今も変わらず同じようなことを思っています。
本誌でも「柔軟」や「実験」、「学習」というキーワードでプロジェクトを進めながら学習することの大切さが書かれています。重要なことは「進めながら学習すること」だと思います。仮説をたて行動することで新しい情報を経て、それをもとに判断して仮説を立てる。さらにその仮説をもとに行動する。これを繰り返して学習していくのです。「仮説→行動→ふりかえり」を早い速度で回せる組織が勝てる組織だととも本誌で書かれています。
リーダーに必要な能力
複数の特集でリーダーの重要性と影響力が語られている。リーダーが持つべきスキルも語らており、項目は「プロジェクト管理スキル」「ドメイン知識」「戦略とビジネス感覚」「リーダーシップと変革管理」「敏捷性と順応性」「合意形成」「責任」「エンパワメント」などです。
本誌にはこのように書かれていますが、リーダに必要なスキルはプロジェクトの特性、会社の風土によっても変わりそうですね。自分たちでリーダーに必要なスキルを定義し満たせているかどうか、伸びしろはどこか確認するのも良さそうです。
僕がリーダが持つべきスキルを3つ挙げるとすると「課題管理」「仕組みづくり」「リーダーシップ」です。
「課題管理」プロジェクトを進めると新しい課題が見つかります。その課題を計画的に解決できるかどうかがプロジェクトを円滑に進めるコツだと考えています。「仕組みづくり」プロジェクトでは色々な仕組みがあります。プロジェクトによって必要な作業が違うため一概には言えませんが定例のミーティングや情報共有、CI/CDなどプロジェクトの運営寄りから実装に近い色々な仕組みがあります。ピープルマネージメントも技術マネジメントもどちらも適切な仕組みを導入することは成功の近道です。「リーダーシップ」リーダーをしていると不足している情報の中、物事を決める必要が出てきます。それ以外にもプロジェクトを全員で前に進めるため、リーダーシップは必要だと思います。