はんなりと、ゆるやかに

アジャイル、スクラムが好きが日々から学んだことをアウトプット

新しいビジョンのあり方を考える一冊『ビジョンプロセシング』

今回の本

VUCA、VUCA、と言われるこの時代に必要とされるビジョンとは?
その問いについて一つの答えを提案してくれる一冊です。

良いビジョンを決めるのは難しいですよね。まず「良い」の定義が分からないですから。本書ではたどりつく場所としてのビジョンではなく、現在の私たちに「問い」を投げかけるようなビジョンが良いと言っています。ビジョンによって問い掛けられ、自分たちのプロセスを変えるということでビジョンプロセシングというタイトルになっていると思います。

ビジョンプロセシングの概要は前回投稿した記事を参考ください。
iucstscui.hatenablog.com

未来との向き合い方を変える

秩序系における未来との向き合い方は「いつかどこかの未来を結果として手に入れようとする姿勢」 であっても十分に機能してきました。それに対して、非秩序系における未来との向き合い方には、「今、 この瞬間に自らを沸き立たせる未来をプロセスとして生き続ける姿勢」が求められることになります。
p88

冒頭でも書いたが、変化が大きく早い時代だから、たどり着く場所(ゴール)としてビジョンを掲げても、1年後にはゴールが正しいとも言えなくななる。じゃあ、ゴールではなく、私たちへの問いかけるビジョンにしましょうということ。
以前読んだ「冒険する組織のつくりかた」と似ている部分がある。「冒険する組織のつくりかた」では「[KEY1] 現場の目標にこそ「追いかけたくなる意味」を込める」では組織として数値目標が欠かせないことを理解しつつ、個人が追いかけたくなる問いを埋め込んだ目標を提案している。
iucstscui.hatenablog.com

変わり続けることを大前提に「ビジョン」というものを考えると、固定化した目標では都合が悪い。だから、今の自分に問いかけるようなビジョンが良いのだと思う。

なぜ、そうでなくてはならないのか?

「なぜ、そうでなくてはならないのか?」という問いを突き詰めていくと、イノベーションを可能にする2つの気づきが得られます。
気づき1:現状維持を支持する積極的な理由は存在していないこと
気づき2:現状を形成する本質的な理由/価値が存在していること

以前、コーチング体験を受けたとき「それをするとあなたはどうなるんですか?」という問いが私に響いた。私の性格上「他者のため…」という思考が強いと思う。そんな私だからこそ響いたのだと思う。「問い」とは強力だ。
この問いがあれば、惰性で習慣になっていることを見直せるし、本当に大切なことを再認識できるようになる。頻繁に使うと否定されているように感じる質問だとは思うので、使いどころは間違えないようにしたい。

タスク・アセスメント

タスク・アセスメントとはタスクに対する「認知」によってモチベーションが変わるという点に着目した考え方で、4つの認知を簡単に紹介。
①自己効力感:努力したら実現できると思えること
②影響感:タスクを実行したときの効果の高さ
③有意味感:個人的な基準で達成したときのメリットの高さ
④自己決定感:自分で決めたかどうか

子育てにも使えそうだとすぐに思った。片付けや歯磨きなど、決めたことができないのが今の問題で、あれやこれやとできるように仕組みを考えたりするが、なかなかうまくいかない。タスクアセスメントの4つを意識して子どもと一緒に進め方を考えたい。

ビジョンクローバーモデル

ビジョンクローバーモデルが本書の主役だと思う。このモデルで問いを誘発するビジョンが描けるようになる。著者の会社のブログに紹介が載っているのでリンクを載せておく。
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Will(憧憬型ビジョン)
情熱や意志に根差した夢や願いとして描かれるビジョン。
Could be(シナリオプランニング型ビジョン)
起こりうる未来を予見する形で創り出されるビジョン。
Should(達成・解決型ビジョン)
達成すべき目標を掲げたり、解決すべき問題を提示したりすることで、「やるべきこと」を定義する形で進むべき未来を決めるビジョン。
Can(ロードマップ型ビジョン)
「可能になりうる」方向性を段階やプロセスとして明確にすることで、未来への道筋を示すビジョン。

熱意だけでもなく、計画的だけでもなく、それぞれの観点で考えることができるフレームワークだと思う。私はどちらかというと、情緒的なビジョンが好きなので偏ってしまう。そんなときに、このフレームワークを使えば計画的なビジョンも設定できるので良いと思う。

さいごに

本書は概念の紹介だけでなく事例もまとめられている。少しでも興味が持てたら書籍を手に取ると良いと思う。