はんなりと、ゆるやかに

アジャイル、スクラムが好きなITエンジニアが日々から学んだことをアウトプット

THE TEAM 5つの法則を読んで、チーム作りの知識が身についた

チームづくり、チームビルディング、よく耳にしますが、じゃあ具体的に何をすればいいのか分からず考え込むことがありますよね。皆で取り組むワークショップをすればいいのか、心理的安全性を高める取り組みをすればいいのか、1on1をすればいいのか。こういった悩みにヒントを与えてくれる書籍が「THE TEAM 5つの法則」でした。

THE TEAM 5つの法則 (NewsPicks Book)

THE TEAM 5つの法則 (NewsPicks Book)

本書は1+1を2ではなく、3にするための法則、グループではなくチームをつくる法則がまとめられています。チームづくりに悩んでる皆さん、チームづくりを始める皆さんのヒントが詰まってます。

ABCDEの法則

本書は5つの法則が紹介されていて頭文字を取るとABCDEになります。
Aim:目標設定の法則
Boarding:人員選定の法則
Communication:意思疎通の法則
Decision:意思決定の法則
Engagement:共感想像の法則

それぞれの法則について「法則の説明」「具体的な事例」「チェックリスト」の順にまとめられていて分かりやすく、末尾には学術的背景がまとめられているので法則を深く知るきっかけになります。

何を達成するかでチーム作りが変わる

どの章も共通していたことは、作るものやメンバーによってチーム作りが異なるということです。どんな状況でもこの法則を使えば正解だということは書かれておらず、スマートフォンアプリのような変化の激しい商品を作る場合と、同じ製品を大量に作る場合とで目指すべきチームが異なると書かれていました。

チームの方向性が決まる目標設定

「Aim:目標設定の法則」では目標がチームに与える影響についてまとめられていました。

抽象度の高い「意義目標」と具体性の高い「行動目標」、その中間に位置する「成果目標」について説明されていました。この3つの”どれかを選びましょう”ではなく、「意義目標」→「成果目標」→「行動目標」の順に具体性が増していくので、どこまでリーダーが決めてどこからメンバーに任せるのかを判断する必要があると思いました。
"○○という機能を作ろう"は行動目標で、これだけを伝えた場合、メンバーは創意工夫しにくいです。"ユーザーの○○の課題を解決するために、○○という機能を作ろう。きっと、○○という結果になるはずだ"のように意義目標も伝えることでメンバー色んな創意工夫を考えることができるようになります。
これをフォーマット化した手法がユーザーストーリーなんでしょうね。

何か新しい機能を作るにしても、なぜ作るのかを理解していると出来上がりも違ってくると思いますし、モチベーションにも大きく影響すると思います。

以前にもこんな記事を書きました。
ビジョンを伝えないと人は動かない - はんなりと、ゆるやかに

サッカーチームが参考になる

「Boarding:人員選定の法則」ではどういったメンバー構成が良いのかについてまとめられていました。

その中でも変化が激しく、人との連携が必要なソフト開発はサッカーチームで例えられていました。それにはしっくりきました。作る製品によっては使用する技術の範囲が広くチーム全員がすべての技術を身につけることは難しい場合があります。そのため、役割を決めて連携しながら開発する感じは、サッカーチームのポジションと似ていると感じます。

サッカーのゲームモデルとソフト開発を紐付けて考えられている方がおられて、興味深いので僕も考えてみたいと思います。
https://takaking22.com/2019/gamemodel-product-development

ルールとコミュニケーションの関係性

「Communication:意思疎通の法則」ではコミュニケーションの量とルールの決め方、メンバーを知ることの重要性について書かれていました。

ルールを増やせばコミュニケーションの量を減らすことができる点について、今まで関連付けて考えていませんでしたが、確かにそうだと思いました。例えば、出社時間は9時って決まっている場合、出社時間を話し合って決める必要はありません。しかし、ルールが決まっていないなら毎日何時に出社するかを相談する必要があり無駄になります。コミュニケーションが無駄に多いと感じるならルールから見直してみることも良さそうですね。

早い決断と決断後の実行

「Decision:意思決定の法則」では意思決定方法の種類と決定の速度の大切さ、決定後の行動の大切さについて書かれていました。

この章では意思決定の難しさと早い決断の大切さがわかりました。意思決定が難しい状況はあるアイデアAとBでそれぞれ違ったメリットがあり、明らかな優劣がない場合です。この場合は時間をかけても分かることは少ないです。そのため、情報を整理し、勇気をもって早く意思決定しすることが大切だと分かりました。
また、意思決定の正しさはその後の実行度合いで変わることを理解していませんでした。正しい意思決定しても実行できなければその決定は間違いになります。その逆もあり、多少意思決定で間違えてもその後の行動で正しい決定に変えることができます。

スクラムガイドの価値基準に「勇気」が含まれているのはこういった決断をスクラムチームでする必要があるからだと分かりました。明らかな優劣がつくことは多くないのでプロダクトバックログを優先順に並べるには勇気が必要です。また、決めたら「献身(commitment)」的に進めることで意思決定を正しくすることができます。

以前、スクラムガイドの価値基準について記事を書きました。
スクラムの価値基準をもっと知る - はんなりと、ゆるやかに

モチベーションのコントロールにもルールがある

「Engagement:共感想像の法則」では仕事に影響するモチベーションを高める方法の理論が書かれていました。

以前、アジャイルリーダーシップサミットに参加した際のOSTでモチベーションをテーマに議論されていました。
アジャイルリーダーシップサミット 2019 に参加して現場の大切さに気づいた - はんなりと、ゆるやかに

その時、モチベーションは皆持っていて関心が違うだけという話が出ていました。本書でもモチベーションを高めるための4P(Phiosophy(理念・方針)、Profession(活動・成長)、People(人材・風土)、Privilege(待遇・特権))が紹介されていて、メンバーはどういったモチベーションで仕事しているか把握することと、共感して欲しい要素を明確にすることが重要だと書かれていました。

チームメンバーがどういったモチベーションで仕事しているのか、やりたいことは何のかをチーム内で話し合い、理解し合うことはチーム作りで大切だと思いました。

まとめ

スクラムマスターは自己組織化されたチーム作りが求められます。目標設定も人員選定も意思疎通のルールも、意思決定の方法も共感も、どれも自己組織化されたチームを目指すには必要だと思いました。

また、同じチームでもチームの状況によって取るべき行動が変わると思います。そのあたりは以下の書籍が参考になると思います。
iucstscui.hatenablog.com
この時の記事でもサッカーチームの話を書いていたので、やはりゲームモデルは気になります。